機械設計のレジェンド本 ”実際の設計”レビュー

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jissainosekkei Mech-engineering-機械設計

私のツイッターでもリプライで推奨していただきましたが、それよりも以前からずっと気になっていた本をようやく手にし、この記事でご紹介できることを大変うれしく感じています。

畑村洋太郎さん 編著 ”実際の設計 機械設計の考え方と方法” です。

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”実際の設計”ってどんな本?

機械設計は昔に比べるとやり方が変化してきています。昔は以前の実績の真似事をしていれば済んでことが、価値観の多様化や社会の変化が進み、以前と同じようなやり方では機械設計としては通用しなくなってきているそうです。

昔とは異なるやり方が求められている機械設計の今後の命題や、機械設計の本質的な考え方を伝えるために本書を書かれたそうです。

上記の目的と、それに見合う内容が書かれているためかAmazonレビューでも機械設計本にしては多くのレビューが書かれており、同時に高評価も得ています。

実は私も”以前の実績の真似事が通用しない”ことは身をもって体験しました。

入社してまだ間もない頃、前と同じように設計すればいいからと指示をされ、過去の資料を読み込み同じように図面を出していきました。

しかしいざ製品が出来上がったら試運転でトラブルが発生する、なんてことが多々ありましたし、今でも起こり続けています。

技術の発達が進み、以前ならば入る余地のなかったものが使えるようになり、従来あった課題は解決したものの、別のトラブルが発生するといったイメージです。

また継承先が見つからないまま事業が終わってしまい、今では失われた技術を使って製作された大昔の製品なんかは今では作れないといったこともあります。

いわゆる現場のベテランさんがなんとかしてくれていたというケースになりますが、”従来と同じ方法”では通じない一つの要因です。

そういった課題にもアプローチしてくれそうな書き方をしてくれているので、今後読み進めて確認し、皆さんにご紹介していきます。

かなり期待できる”はじめに”の書き方してくれています!

この本って自分にも読めるかな?という方に

おそらくこの記事を読んでいるような方は機械設計にかなり携わっている方が大半だとは予想されますが、この本は想定読者を明確に定義しています。

工学部の大学生や高専生、実験装置の設計を初めてする学生、入社して設計に携わった人・これから携わる人、設計する人と関わる人etc

とかなり広い範囲に渡って対象を定められています。

ご自分が上記に該当しているか、または実際に読んでみて読むことができるのか検証したい方は書店でこの本をお手に取って確認してみてください。

”実際の設計”がレジェンド本だと私が考える理由

まずこの本がなぜ機械設計のレジェンド本(私が勝手にそう認識しているだけです)なのかを数字でご紹介します。

1988年に初版されそこから多くの機械設計者から支持され続け、20刷もされています。

さらに改訂が2014年に入り、2022年現在までさらに10刷がされています。安定して年1回以上のペースで増刷され続けています。

これが小説や歴史あるビジネス本ならばともかく、機械設計という限られた方向けに書かれている本にも関わらず、これだけのロングセラーとなっているのは正直びっくりしました。

機械設計者の方がほぼ全員所有している設計便覧ほどではないにしろ、このまま出版され続けたらほぼ同じ立ち位置に来ることも考えてしまいます。

さらに数字の次はこの本に関わっている方が権威も職歴も超強い方々がずらり。

東大京大、だれでも知っている超大手企業の設計部、海外有名大の方等…

とにかく私のような凡庸な人間からしたらとんでもなく説得力もあって非常に優秀な方々が全力で執筆している本になっています。

将来的には設計便覧に並ぶ、設計者のバイブルとして扱われることもあるかもしれませんね。

本としての厚みもそこそこあり、非常に読みごたえがありそうです。

読めば読むほど味が出る、スルメのような本になりそうですので私もしゃぶり尽くそうと思います。

jissainosekkei-atsumi
通常のキャンパスノートの厚み3.5mmに対して実際の設計は22mmもある…

今後の紹介の仕方

この本は非常に情報が濃いことが予想されますので章区切りでご紹介していきます。

この記事では”はじめに”のみ紹介しましたが、今後各章ごとに学べることをご紹介していき、皆さんが「こんな情報欲しかった!」と感じるような内容を書いていくよう努めてまいります。

お前の紹介なんか待てねえよ!という方に

私の紹介なんてどうでもいいから実物を読んでみたいという方にこの本の試し読みができる場所をお伝えします。

2022年10月現在はAmazonや楽天でも試し読みができないため、お近くの書店で手に取ってみてご購入を検討されることをおすすめします。

もしかしたら他の電子書籍ストアでは取り扱いがあり試し読みができるかもしれませんのでご自分に馴染みのある電子書籍ストアを確認してみてください。

私は以前大阪のジュンク堂書店?で実物を初めて見たくらいでしたので、地方の方は地元で一番大きな書店でも置かれていない可能性がありますので、書店で取り寄せてもらうなどする必要があるかもしれません。

余談

やはりほぼ専門書となるため本の価格としては4千円弱とそこそこの金額です。

財布を妻と共有している私にとっても説得するのは非常に苦労しました。

だが4千円です。飲み会一回や何かを我慢すれば捻出できる金額です。4千円で今後の機械設計人生で重要な何かを学ぶことができる可能性があるのならば仕方がない、払うしかないという思いを伝えて購入できました。

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