
- 他者への理解を深めたい
- 苦手な人を許せるようになりたい
- 行間を読みとる本が読みたい

小川洋子さんの『ことり』を読むことで、次のことが身に付きます
- 他者の理解力
- 感性
- 行間を読みとる力
『ことり』は、こんな人にオススメ
- 他者を理解する力を伸ばしたい
- 苦手な人を許したい
- 感性を磨きたい
はじめまして。普段はメーカーで機械設計をしているベルと申します
この記事は、鳥と関わりの深い兄弟の人生を描いた、小川洋子さんの『ことり』の書評になります

書評をするのが怖いくらい、行間を読み取るのが難しい深い本です…
この記事は、私の実体験も織り交ぜて書いてます
本の内容と違う解釈があることは、ご了承ください
そのため、この記事を読んだ後は、ご自身で本を読むことをオススメします
この記事が、皆さんの悩みを解決する一助になれば幸いです
理解できない人を、理解できるようになる本

『ことり』を読むことで、自分が共感できない人の心情を、理解できるようになります
理由は、次の通り
- 登場人物に目的がない
- 描写が超細かい
順番に解説していきます
登場人物に目的がない

物語を通して、登場人物に大きな目的がありません
ゆえに、本としての読み味は繊細で、自分の知らない人の、人生を体験している感覚になります

正直、普通に社会人として働く人は、共感できるシーンは少ないです
結果として、共感しにくい
にも関わらず、登場人物の心情は詳細に書かれているため、共感しにくい人を理解する力が芽生えます
お兄さんは体の前で手を組み、自分の指先のあたりに視線を落とし、どんなささやかな音も聞き逃さないよう息を殺している。お兄さんのすべてが耳になったかのように見える。その耳は音の前でひざまずいている。
ことり
描写が超細かい

登場人物に限らず、モノ・コトの動き、心情の描写が多く、登場人物の世界を100%味わえます

コミュニケーションが少ないですが、登場人物の心情が嫌でも伝わってきます
そのため、”普通”という感覚を持っている人でも、少し変わった、平穏な日常を送る登場人物の気持ちを理解できます
結果として、自分の知らない人を理解する想像力・許容力が鍛えられます
サンダルの土踏まずの、わずかにカーブしたそのへこみに上手く体が納まっていた。小さい、という言葉以外、私には他に何も必要ではないのです、と自らそう訴えているかのようだった。
ことり
理解の仕方は人それぞれ

正直に言うと、私の行間を読み取る力が足りず、本書の魅力を伝えきれていません
理由は、文章の裏に隠された意味が多すぎると感じるため

書評を書いている身としては、情けない…
ただ、それだけ『ことり』は奥が深く感じます
ぜひ、本書をあなた自身で読むことで、内容の奥深さを味わっていただきたいです
まとめ:他者理解を深める本

行間を読み取る力のない自分を、悔しく思わされる深い小説です
内容は表面的には動きが少なく、目的もないように感じて、退屈な本と見誤ります

それでも、この文章の裏には、「大事な何かがある」と感じさせられます
しかし内容の深さから、読むと他者を理解する力も伸びていきます
この本以上に、自分と関りが薄い人を理解する想像力が養われる本は、他にはありません
「自分と違う人を、理解したい」と感じている方は、一度読んでみてはいかがでしょうか

もっと本を読んで、行間を読み取れるようになったらまた読みたい
そう思わされる小説です
鳥籠は小鳥を閉じ込めるための籠ではありません。小鳥に相応しい小さな自由を与えるための籠です
ことり