
- 仕事と家庭の両立に悩んでいる
- 仕事を優先して、家族を犠牲にしたくない
- でも仕事も妥協したくない

『イノベーション・オブ・ライフ』は、”仕事と家庭の両立”というジレンマを解消してくれる本です
- ”仕事と家庭の両立”を、人生の目的に設定する
- モチベーションが上がる、”真の動機”を見つける
- 動機が見つかるまで、トライ&エラー
はじめまして。普段はメーカーで機械設計をしているベルと申します
この記事は、仕事と家庭を両立できる人生を歩む方法を、理論的に教えてくれる本『イノベーション・オブ・ライフ』の書評になります

経営本のベストセラーである『イノベーションのジレンマ』の作者、クレイトン・M・クリステンセンが書いた、人生版・イノベーションのジレンマです
この記事は、私の実体験も織り交ぜて書いてます
本の内容と違う解釈があることは、ご了承ください
このため、この記事を読んだ後は、ご自身で本を読むことをオススメします
この記事が、皆さんの悩みを解決する一助になれば幸いです
わたしはどうすれば次のことが確実にできるだろう?
イノベーション・オブ・ライフ
- どうすれば幸せで成功するキャリアを歩めるだろう?
- どうすれば伴侶や家族、親族、親しい友人たちとの関係を、ゆるぎない幸せのよりどころにできるだろう?
- どうすれば誠実な人生を送り、罪人にならずにいられるだろう?
”仕事と家庭の両立”を人生の目的とする

最初に、”仕事と家庭の両立”を人生の目的にちゃんと据えることが、成功の秘訣です
理由は、人生で何度も訪れる分岐点で、判断するときの軸がぶれるため

目的にすることで、判断するときに「”仕事と家庭の両立”という目的に沿っているか?」と考えることができるようになります
また、そもそも”仕事と家庭の両立”とは、”何を”・”どのくらい”できれば、両立できていると言えるのか、考えるきっかけになります
例えば、転職に悩んでいる時に、軸に”家庭とキャリアの両立”があれば、給料は増えるが家庭をないがしろにする仕事は選ばないで済みます
一方で、「どのくらいの労働時間・給料にキープできれば、仕事と家庭の両立を実現できる転職ならばよいか?」という思考に至ります
家庭とキャリアを両立したいのであれば、まずは人生の目的として明確に掲げましょう
本書を書いた目的は、あなたがキャリアで成功を収め、幸せになる、その一助になればと思ったからだ。家族や友人たちとの親密で愛情あふれる関係に深い幸せを見出すために、本書を役立ててほしい。大切な人たちにふさわしいだけの時間と能力を投資しよう。本書を読んで、誠実な人生を送る決意を新たにしてくれれば嬉しい。だがわたしたちが何より望んでいるのは、だれもが自分にとって最も重要なものさしで、成功を評価されることだ。
あなたが人生を評価するものさしは、何だろう?
イノベーション・オブ・ライフ
目的を明確にする方法

目的を明確にする方法は、次の3つの手順
- なりたい姿を決める
例)家庭とキャリアを両立する - なりたい姿を意識して常に行動する
例)家庭では積極的に家事・育児
仕事は転職も視野に入れてキャリアアップを目指す - 行動を評価できるよう数値化する
例)平日は仕事後はその日の残りの家事・育児を100%やる
仕事は正確に時給換算して増減を評価する
本書を書いた目的は、あなたがキャリアで成功を収め、幸せになる、その一助になればと思ったからだ。家族や友人たちとの親密で愛情あふれる関係に深い幸せを見出すために、本書を役立ててほしい。大切な人たちにふさわしいだけの時間と能力を投資しよう。本書を読んで、誠実な人生を送る決意を新たにしてくれれば嬉しい。だがわたしたちが何より望んでいるのは、だれもが自分にとって最も重要なものさしで、成功を評価されることだ。
あなたが人生を評価するものさしは、何だろう?
イノベーション・オブ・ライフ
キャリア成功は幸福感で決まる
成功したキャリアを実現するには、次の3つが重要です
- 仕事のモチベーションが上がる動機を知る
- 計画と運をバランスさせる
- 自分の資源の分配最適化

この本で言うキャリアの成功は、”働いていて幸福感が得られる仕事に就くこと”です
幸福感を得られる仕事に就くことを、キャリア成功に
順番に解説していきます
仕事のモチベーションが上がる動機を知る

あなたの仕事のモチベーションが上がる、動機を知りましょう
理由は、あなたを突き動かす動機と、仕事の動機が一致していることが、幸福感につながるため

高い給与や、休日が多いことは、モチベーションの一部になります
一定の給与と地位までは、仕事の満足度も上がり、幸せそのものになります
しかし一定以上の高給・好待遇は、仕事の根源的な動機には、なり得ません
このときに重要になるのが、”本当に大切なことに心ゆくまで集中できること”
例えば、次の自問自答をすることで、仕事の動機との一致/不一致を確認できます
- いまの仕事は意味を感じるか?
→新しいことを学ぶ機会はあるため、次のキャリアの選択肢を広げてくれるので意味がある - 成長する機会があるか?
→最近は少ない - 新しいことを学べるか?
→学べるが、知識としてはピンポイント過ぎる - だれかに評価されるか?
→お客様に直接評価されるが、問題ない場合はフィードバック無し。悪い場合はクレームレベルで来る - なにかを成し遂げる機会を与えられるか?
→ミスなくこなすことが前提で、新しい目標を成し遂げる機会は少ない - 責任を任されるか?
→小さい範囲での責任のみで、キャリアのプラスにはなりにくい
上記では、2~6で不満がありそうで、自分の動機とは不一致に感じることが多いと考えられます
自問自答を繰り返し、あなたを本心から「なにかをしたい」と思わせる動機を知ることが、幸せなキャリアに繋がります
たとえば自分にとって本当に意味のある仕事、興味深くやりがいがあって、職業的に成長できる仕事、責任や権限の範囲を拡大する機会を与えてくれる仕事。そんな仕事ができる職務を経験した人もいるだろう。これらがあなたを動機づける要因であり、仕事への愛情を生み出す要因なのだ。わたしは教え子たちに、こうした要因を求めてほしいと願っている。これらが、毎朝うんざりしながら仕事に向かうか、わくわくした気持ちで向かうかの違いを生むからだ。
イノベーション・オブ・ライフ
計画と運をバランスさせる

あなたの作ったキャリア計画と、運で決まるキャリアをうまく使い分けることで、キャリアを成功させることができます
理由は、それぞれが適した状況が、次のように異なるため
- 計画的なキャリア:
現時点で、あなたの求める働く条件と、仕事内容に満足できている状況にピッタリ - 偶然決まるキャリア:
現状の仕事内容に、不満がある状況にピッタリ
例えば、偶然決まるキャリアは、様々なことを運任せに体験することで、自分が好きな仕事を見つけることに繋がります

逆に言えば、満足できる仕事が見つかるまで、繰り返し続ける必要があります
これを試す回数は果てしないかもしれないが、行動せず、ただ考えても、現状の仕事への不満は解決できません
それでも、様々なことを試しながら働いている内に、あなたが好きになれて、能力を発揮できる業務内容も分かってくるそうです
そのため、偶然決まるキャリアで様々なことを試す
その中で、あなたのキャリアで大事なことを見つけた段階で、計画的なキャリアを実践すると、より良いキャリアを歩むことができます
自分を変えることは難しいモノだし、いましていることをそのまま続けるほうが簡単な気がする。だがこの考え方は危険だ。問題に向き合うのを先延ばしにしていると、何年もたったある朝、鏡のなかの自分を見て、こう思うことになる。「わたしはいったい何をしているんだろう?」
イノベーション・オブ・ライフ
計画的なキャリアの実現は具体化がカギ

「どの条件が満たされれば、そのキャリア計画を成功したと言えるか?」を考えることで、キャリアを成功に導けます
理由は、キャリアは計画は簡単でも、実現は難しいため

キャリア計画が失敗したら、痛手を負う可能性も…
それを楽に防ぐ方法として、よくある新製品開発プロジェクトとは逆の手順で計画することを、本書では推奨されています
例えば、「来年までにGoogleに入社する」という計画は、ほとんどの方は失敗するでしょう
これに対して、「年収1千万円になる」とすると、キャリアの選択肢の幅が広がります
つまり、あなたが「自分のキャリアは成功した!」といえる条件を具体化することで、理想的かつ実現可能なキャリア計画を思い描くことができます
最初は、あなたが思うがままにキャリア計画を紙に書き出し、実現した場合に得られるもの・満たせる条件に分解して、実現可能な理想のキャリア計画を作り出しましょう

分解した条件・得られるものは、リスト化し、重要度と不確実性の高い順番に並べ替え
そして、重要なものから順に、できるだけコストをかけずに実現できる方法を考えることで、キャリア計画の実現を進めることができます
あなたは外発的、内発的どちらの動機づけ要因をもとに、仕事を選ぼうとしているのだろう?なぜこの仕事を楽しめると思うのか?どんな根拠があるのか?転職を検討するたびに、立証する必要のある最も重要な仮定を洗い出し、それをすばやく、費用をかけずに証明する方法を考えよう。自分のとろうとする道について、現実的な期待をもつことを心がけよう。
イノベーション・オブ・ライフ
資源配分を最適化し続ける

あなたが決めたキャリア計画と目的「仕事と家庭の両立」に対して、保有している時間・お金を、適切に配分できているか定期的に確認します
定期的に配分を確認しなければ、無意識に無駄遣いしてしまうため

意識しなければ、あなたの時間とお金は、会社や家庭から搾取され続けます
結果として、あなたの人生は無駄遣いされます
時間もお金も限られているため、配分を意識して決めなければ、すぐに使い切ってしまいます
例えば、仕事に高給を求めると、資源配分はキャリア成長に偏る傾向です
昇進など、少し先の報酬を手に入れるため、子供と過ごす時間は減少

どちらを優先するかはタイミングや状況で変化するため、非常に難しいです
かといって、考えることを放棄してしまっては、”仕事と家庭の両立”は実現しません
お金と時間の使い方を定期的に見直すことで、”仕事と家庭の両立”を実現し続けましょう
p83戦略は-企業戦略であれ-時間や労力、お金をどのように費やすかという、日々の無数の決定をとおして生み出される。あなたは一瞬一瞬の時間の過ごし方や、労力とお金の費やし方に関わる一つひとつの決定をとおして、自分にとって本当に大切なのはこういうことだと、公に宣言しているのだ。人生に明確な目的と戦略をもつことはたしかに大切だが、自分のもてる資源を、戦略にふさわしい方法で投資しない限り、何にもならない。結局のところ、戦略は正しく実行されなければ、ただの善意でしかないのだ。
イノベーション・オブ・ライフ
家庭では長期での幸福を考える

家庭での成功は、長期的に考えて幸せになれるか考えて、普段の行動を評価することが、成功のカギ
理由は、思い通りにいかないことが多く、かつ見返りがあるのは老後や、子どもが大人になった時のため
例えば、多くの人はキャリアのほうが早く・目に見えて見返りがあるため、資源を振り過ぎて、家庭をないがしろにしがち
家庭の問題はひとりひとり異なりますが、本質的には仕事の問題と同じため、理論的に解決でき、家庭や交友関係も充実させることが可能です

家庭で成果を出すには、それなりの忍耐力が必要です
人生のなかの家族という領域に資源を投資したほうが、長い目で見ればはるかに大きな見返りを得られることを、いつも肝に銘じなくてはならない。仕事をすればたしかに充実感は得られる。だが家族や親しい友人とはぐくむ親密な関係が与えてくれる、ゆるぎない幸せに比べれば、何とも色あせて見えるのだ。
イノベーション・オブ・ライフ
家庭への配分は初期から多めに

家庭へのお金や時間の配分は、最初の方から多めにしましょう
理由は、子どもの成長には、生後数か月で必要不可欠な知的能力が伸びるため

3歳くらいまでに、たくさんの言葉や、複雑な文章で話しかけることが効果的
これが単純な話しかけた言葉の数だけ比例して知的能力が伸びるのではなく、脳細胞は複数の細胞とつながるため、指数関数的に知的能力が伸びていく
脳細胞は複雑に他の細胞とつながるため、言葉の数や複雑さと、指数関数的に知的能力が伸びます
子どもの成長に限らず、人間関係でも第一印象でその後が決まるので、最初のほうに力を入れることで、その後も良好な関係を維持しやすくなります
わたしたちを深い愛情に駆り立てるものが、お互いを理解し合い、お互いの用事をかたづけようとする努力だとすれば、その献身を不動のものにできるかどうかは、わたしの経験から言えば、伴侶の成功を助け、伴侶を幸せにするために、自分をどれだけ犠牲にできるかにかかっている。
この「犠牲が献身を深める」という原則があてはまるのは、結婚生活だけではない。家族や親しい友人、それに組織や文化、国家についても言えるのだ。
イノベーション・オブ・ライフ
外注依存はNG

人間関係を築くとき、特に育児においては、外注化し過ぎるのは控えましょう
理由は、大切な場面で、親(友人)として重要なことを伝える機会を逃すため
たとえば、子どもに家事をまったくさせなければ、子どもが一人暮らしする時に、親子そろって不安になります
このような成長の機会をなくすと、子どもが”生きる上で重要なこと”を学ぶことができなくなります

もちろん、共働きが必須のいま、家事代行や学校はフル活用すべき
ここで言いたいのは、外注化のバランスが大事と言うこと
大切なことを伝える機会と環境を確保することで、子どもが成功するために必要な能力を考え、その能力が成長させることができます
あなたの子どもが、優先事項や価値観をよその人に学ぶなら、彼らはいったいだれの子どもだろう?
イノベーション・オブ・ライフ
外注NGな能力は”プロセス”と”優先事項”

外注NGな、重要な能力を見極めるには、まず能力を資源・プロセス・優先事項にわける
その後、プロセスや優先事項の能力を、重点的に伸ばしましょう

能力を分類することで、子供が将来直面する困難・課題から逆算して、「どんな能力を備える必要か」考えやすくなります
- 資源:
金・モノ・時間・知識・素質・人間関係・経験 - プロセス:
考え方・質問の仕方・得意な問題や解決方法 - 優先事項:
学校と家族、スポーツと勉強のどれを優先するか・先延ばしにするか考える力
例えば、子どもの習いごとを検討する時、「この習いごとは子どものどんな能力を伸ばしてくれるか?」を考えることで、最適な習いごとを選べます
”プロセス”や”優先事項”の能力を伸びる、子どもが本気で取り組める、習いごとがベスト

子どもが本気で取り組めていれば、新しいスキルを磨く方法や、より深い知識を身につける方法と言った、困難を乗り越える能がを身につきます
子どもに必要なのは、新しいスキルを学ぶことだけではない。能力の理論は、子どもに困難な挑戦を与えることの必要性を教えてくれる。子どもに厳しい問題を解決させ、価値観を養わせよう。どれほど多くの経験をさせても、心から打ち込めるような機会を与えない限り、将来の成功に必要なプロセスを身につけさせることはできない。
イノベーション・オブ・ライフ
家庭の文化で自立性をはぐくむ

子どもの自立性は、家庭での文化を利用してはぐくみましょう
理由は、本当に重要なことの優先事項を、無意識に学び取ることができるため
例えば、「人を傷つけてはいけない」という常識は、家庭という単位で無意識に学びます

意図的な文化を作り、教え込むには、文化を使って問題解決させるのがオススメ
たとえば、思いやりを文化に取り入れる場合、解決法が思いやりの問題に子供が直面したときに、思いやりで解決できるよう手助けします
もし思いやりを選ばなかった場合は、そのことを叱り、なぜ思いやりが必要だったか説明してあげましょう
家庭の文化は意識せずともできあがりますが、明確な優先事項を決めておくことで、子どもがひとりで大事な局面に向かう時にも、支えることができます
もちろん、これは簡単なことではない。第一に、あなたは自分の育った家庭の文化をもって、新しい家庭に入る。伴侶が自分と根本的に異なる家庭文化をもっていることも、よくある話だ。二人だけでも、何かに合意するのは奇跡のようなものなのに、一人ひとり異なる感じ方や考え方をもって生まれた子どもたちを加えたら、どうなるだろう。たしかに大変だが、だからこそ、自分がどんな文化を望んでいるかを明らかにし、それを積極的に追求することが何より大切なのだ。
イノベーション・オブ・ライフ
道徳は守る

どういう状況に陥っても、道徳は守りましょう
理由は、100%守り続ける方が、楽で簡単なため

仕事はともかく、家庭では、本当にどうしようもない状況に直面することもあるでしょう
そんな時でも、誘惑に屈しないことが大切です
「これが重要な決断だったと、わかるときが必ず来る」と本書でも述べられています
子どもに重要性を伝えるには、例えばズルをしているとき、一度やらせてみて、後で痛い目に合わせましょう
大人と同じように罪と罰を与えることで、道徳を100%守る重要性と、楽さを実感させます

あとで痛い目を見せるのは難しいですが、忍耐力をもって挑みましょう
本当に危機的な状況に陥っても、道徳だけは守りとおすことで、後の人生に悔いが残らないということを思い知らせましょう
ヘンリー・フォードはかつて言った「機械が必要になったのに買わずにすませようとすると、しまいには代金を支払ったのに機械がないという事態になる」
イノベーション・オブ・ライフ
まとめ:”仕事と家庭の両立”を人生の目的に定めることが実現の第一歩

- 人生の目的に”仕事と家庭の両立”と定めることで、判断軸を作る
- キャリア成功は自分のモチベーションや幸福感を優先する
- 家庭では長期目線で判断することで、皆と成功に近づく
人生という長くて複雑な問題を、企業経営という理論にあてはめて、解決する方法を教えてくれる『イノベーション・オブ・ライフ』を読んでみてはいかがでしょうか

”仕事と家庭の両立”という、答えのない難問にこれほど答えてくれる本はありません
ただ、少し読みにくいので、この記事が理解の一助になれば幸いです
経験や情報から多くを学べることもあるが、実際の話、人生には経験をとおして学ぶことが許されない状況が多々ある。よい伴侶になるために何度も結婚しようという人はいないし、子育てをマスターするのに、末の子が大きくなるまで待とうという人もいない。そんなとき、理論がとても役に立つ。何かを経験をする前に、これから起きることを説明してくれるのだから。
イノベーション・オブ・ライフ