【マルドゥック・スクランブル】誰もがこの世界に引き込まれる【書評】

はじめまして。普段はメーカーで機械設計をしているベルと申します

この記事は、R18で鬱なSFの世界で、主人公が成長していく小説『マルドゥック・スクランブル』の書評になります

この記事は、私の実体験も織り交ぜて書いてます

本の内容と違う解釈があることは、ご了承ください

このため、この記事を読んだ後は、ご自身で本を読むことをオススメします

この記事が、皆さんの悩みを解決する一助になれば幸いです

ー今だけでいいから、そばにいくれる？

「もちろんだ。今だけと言わず」

マルドゥック・スクランブル The 2nd Combustion

主人公の急成長が超面白い

主人公が急成長していく箇所は、読んでいて引き込まれます

理由は、次の3つ

順番に解説していきます

あの人は私に、殻から出てこいとは言わなかった。暖かいところへ連れていこうとしてくれた。あの人は、とっくに腐った卵でも大事に温めてくれる人だから

マルドゥック・スクランブル The 2nd Combustion

好きになりやすいキャラ

好きになりやすいキャラのため、話に入り込みやすいです

キャラクターたちの背景は、私たちの身近にある話ではありません

しかし、想像力を掻き立てる文章表現で、キャラの背景や心情を描写されています

そのため、感情移入しやすく、キャラクターを好きになれて物語に入り込むことができます

この世で好奇心ほど暴力的なものはあるまい。そして他ならぬ好奇心によって人も動物も生きておる。そのことを知り、そのことに耐えられる者こそ人間と呼ぶべきだ。

マルドゥック・スクランブル The 2nd Combustion

引きこまれる文章

心理描写の表現が細やかで、物語の中に引き込む力が強い小説です

そのため、SFという非現実的な話ですが、SF初心者でも読みやすい仕上がり

違う世界に引き込まれる感覚を味わいたい方には、ぜひご一読いただきたい文章です

総毛立った。止めようのない何かが身体の奥からせり上がってきて、髪の毛一本一本に至るまで、敵意が毒のようにしたたるのを覚えた。

マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust

あとがきも熱い

作者あとがきでは、作者の熱意を感じることができる、面白い話も読めます

小説書き上げ秘話や、何度か再販された経緯

さらに、それらに対する作者の心情も書かれています

そのため、物語の裏の、作者の情熱を知ることができ、より一層楽しめます

ちなみにこの文庫の前に、これまた改訂版となるハードカバー版『マルドゥック・スクランブル』の出版があった。同じものと思われるかもしれないが、あちこち文章やシーン展開を判型に合わせて変えたため、異なる二作を出すに等しい手間がかかった。

バカじゃないか—意外に多くの方からそういわれた。

単純に商売に励めばいいものを、いらん苦労をなぜ背負い込むのか。

それが必然だったからだ。

マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust

それでもハマる人は選ぶ

読みやすいとはいえ、やはりSF、かつ残酷な描写も多いため、ハマる人は選びます

はじめの方の、SFらしい内容説明のところは、何が起こっているのか理解しにくいかもしれません

R18の内容もあるため、読むとき・人に薦めるときは、注意しましょう

痛みは重力に逆らうことはない。いつでも立場の低いほうへ流れる。

マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust

まとめ：成長物語を楽しみたい方にオススメ

『マルドゥック・スクランブル』は、主人公の成長や、文章に引き込まれる体験を味わえます

壮絶・凄惨なお話ですが、その中で登場人物が成長し、過去を消化していく過程を、文章に引き込まれることで追体験できます

読み手を引き込む力が強く、ハマる人は本当にハマります

少しでもSFに興味がある方ならば、一読の価値アリです

-愛されたいと思った人は沢山いた。でも愛したいと思った人はあなただけ。

マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust