
- たまらない読後感を味わいたい
- 怒涛の伏線回収に近い感覚がほしい
- 人の描写が丁寧な小説を探している

イギリスの権威ある文学賞である、”ブッカー賞”受賞作品『わたしを離さないで』は、悲しいはずなのに不思議と悲しくなく、不思議ながらも満足のいく読後感を味わえます
- なんとも言えない読後感を味わえる
- 伏線とは少し違う、話の拾い方に感心させられる
- 本当にあったかもしれない物語
”あったかもしれない”という点では、『アルジャーノンに花束を』に近いです
はじめまして。普段はメーカーで機械設計をしているベルと申します
この記事は、不思議な読後感を味わえる、イギリスのブッカー賞も受賞した小説『わたしを離さないで』の書評になります

悲しい話のはずなのに不思議と悲しくない
挫折せずに読むのは大変
この記事は、私の実体験も織り交ぜて書いてます
本の内容と違う解釈があることは、ご了承ください
このため、この記事を読んだ後は、ご自身で本を読むことをオススメします
この記事が、皆さんの悩みを解決する一助になれば幸いです
孤独も、慣れるとさほど悪いものではありません。自分の小さな車に乗り込みながら、これからの数時間、大きな灰色の空と道路だけを相手に存分に白昼夢に浸れると思うと、これも捨てがたい楽しみです。
わたしを離さないで
不思議な読後感に心が満たされる

『わたしを離さないで』は、読み切ると不思議な読後感で、心が満たされます
理由は、次の3つ
- 悲しい話だが、同じくらい暖かさもある
- 話の拾い方に感心できる
- 自分の環境の良さを思い知らされる
基本的には悲しい話で、喪失感を感じると思いきや、同じくらい暖かい思いも書かれています
また、悲しい理由が唐突にされ、急に話が繋がりだす感覚は、この小説の魅力のひとつ
話の繋がり方と、悲しさが人の温かさで相殺されることで、不思議な読後感を味わえます
「それじゃチェスの駒と同じだと思っているでしょう。確かに、そういうふうに見えるかもしれません。あなた方は駒だとしても幸運な駒ですよ。追い風が吹くかに見えた時期もありましたが、それは去りました。世の中とは、ときにそうしたものです。受け入れなければね。人の考えや感情はあちらに行き、こちらに戻り、変わります。あなた方は、変化する流れの中のいまに生まれたということです」
「追い風か、逆風か。先生にはそれだけのことかもしれません。でも、そこに生まれたわたしたちには人生の全部です」
わたしを離さないで
読むのは大変

正直、読み切るのに少し根気がいります
というのも、内容のわかりにくさや、「その描写いる?」と感じる場面が多いため
ただ、他愛もない話も把握したうえで、最後まで読み切ると、心の満たされ具合がすごいです

『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を引用して言うなら、ノイズがすごい小説
教えられているようで、教えられていない。
わたしを離さないで
まとめ:心の隙間を埋めたい方にオススメ

登場人物の思いやりや、心理描写の細かさが、あなたの心の隙間を埋めてくれます

なんて回りくどい表現で読みにくいんだ、と感じたところは、たくさんあります
一方で、これを読み取れる読解力のなさも痛感しました
少し純文学?に近いため、読むのに少し根気がいります
が、本ならではの、たまらない読後感を味わえるので、読んでみてはいかがでしょうか
この小説は、ごく控え目に言ってもものすごく変わった小説であり、作品要素を成り立たせている要素一つひとつを、読者が自分で発見すべきだと思うからだ。予備知識は少なければ少ないほどよい作品なのである(だからといって、再読に耐えないということでは決してないが)。
わたしを離さないで